カテゴリ:比較文化・シラバス( 2 )

 

後期シラバス(改訂版)

比 較 文 化 と ア イ デ ン テ ィ テ ィ
Comparative Cultures and Identity

担当教員:大脇 美智子 (内線 3541) 
e-mail: m-owaki@ynu.ac.jp 
website: http://mowakiynu.exblog.jp/

授業のねらい・目的
 文学と映画を通して、ジェンダーと人種の表象に焦点を当てつつ、アジア系アメリカ文化について学ぶ。
 多種多様な人種と民族のるつぼである米国では、すべての人種と民族の共生をめざす多文化主義と、人々の価値観・言動・習慣から政策や法律の決定・運用の場面に至るまで、今も根強く残る人種差別とが拮抗しあってきた。人種差別の対象となってきた有色人種は、アフリカ系、ヒスパニック系、アジア系と多岐にわたるが、この授業では主としてアジア系アメリカ人(特に日系アメリカ人)とその文化をとりあげる。本学の多勢を占める日本人学生にとって、日系人の歴史は他の人種のそれと比べてより身近に感じやすいのではないかと思うからである。
 また、アジア系アメリカの文化や歴史をたどるには、人種のみでなく、ジェンダーへの視点も欠かせない。ジェンダーと人種の問題は互いに深く関わり合っているからである。文学と映画という身近な素材を用いつつアジア系アメリカ人の文化と歴史について学びながら、米国における多文化主義の理想と現実の葛藤の歴史、マイノリティ・グループのアイデンティティ・ポリティクスにおけるジェンダーと人種問題の相関関係についての基本的知識を身につけてもらうこと、またそれを通じて、日本におけるマイノリティの問題、ジェンダー不平等、人種差別の現状等に対する批判的視点と思考習慣を身につけてもらうこと、この二つをこの授業の大きな目標としたい。

履修目標
① 「アジア系アメリカ文化」とは何か、自分の言葉で他者に説明できるようになること。
② ジェンダー論の概要を理解し、他者に説明できるようになること。ジェンダーへの視点が、私たちの日常生活において、そしてあらゆる学問分野において必要不可欠なものであることを理解し、それを自分の言葉で他者に説明できるようになること。
③ アジア系アメリカ文化について学ぶことを通じて、米国における、人種とジェンダーをめぐるポリティクスを理解し、それを他者に説明できるようになること。またそれを通じて、日本における人種差別やジェンダー不平等の状況に対しても批判的に思考できるようになること。

成績評価の基準  
出席30%、Mid-Termレポート30%、学年末試験40% 

学年末試験(2/10実施予定)  この講義のkey wordsとなった用語やその概念についてよく理解し、それらについての知識や自分の考えをまとめておくこと。

後期授業概要(内容と計画)
10/7 学生発表:Mid-Term Reportの早期提出者のなかから数人が発表

10/14 アイデンティティとは何か」についての考察  学生発表:アイデンティティについて 他

10/21 6 アジア系アメリカ人の主流文化への参入 
Maya Linとベトナム戦争記念碑 映画:Maya Lin: A Strong Clear Vision

10/28 7 アジア系アメリカ人による対抗言説/対抗表象(主流文化によるステレオタイプ表象への異議申し立て) —— その1:アジア系アメリカ人の音楽活動(Jazz)
           音楽:Legends and Legacies Cf: John Coltrane(African American’s jazz)

11/11 アジア系アメリカ人の音楽活動(folk songs/message songs)
      音楽:A Grain of Sand Cf; Bob Dylan, Bob Marley

11/18 8 アジア系アメリカ人による対抗言説/対抗表象 —— その2:アジア系アメリカ人の文学活動の始まり
文学作品:Seventeen Syllables (H. Yamamoto)

11/25 9 アジア系アメリカ人コミュニティ内部における差異と対立
     文学作品:Woman Warrior (M. H. Kingston)
 Aiiieeeee! An Anthology of Asian-American Writers (Frank Chin, et al.)

12/2 10 米国における日本女性のイメージ
映画:Sayonara 文学作品:Farewell to Manzanar (J. Wakatsuki-Houston), Polite Lies (K. Mori)

12/9 11 米国における日本男性のイメージ
映画:Rising Sun, Gun Ho, Cheat, Last Samurai 文学作品:Turning Japanese (David Mura)

12/16, 1/13, 1/27
12 主流文化によるステレオタイプ表象への挑戦
   映画:Tokyo Bound (Amy Hill), I’m the One that I Want (Margaret Cho)
文学作品:My Year of Meats (Ruth Ozeki), Southland (Nina Revoyr)

2/3 13 総括:ディスカッション
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by mowaki93smile | 2005-11-11 23:30 | 比較文化・シラバス  

比較文化とアイデンティティ(2005 シラバス)

大脇 美智子 (内線 3541) 
e-mail: m-owaki@ynu.ac.jp 

授業のねらい・目的
 文学と映画を通して、ジェンダーと人種の表象に焦点を当てつつ、アジア系アメリカ文化について学ぶ。
 多種多様な人種と民族のるつぼである米国では、すべての人種と民族の共生をめざす多文化主義と、人々の価値観・言動・習慣から政策や法律の決定・運用の場面に至るまで、今も根強く残る人種差別とが拮抗しあってきた。人種差別の対象となってきた有色人種は、アフリカ系、ヒスパニック系、アジア系と多岐にわたるが、この授業では主としてアジア系アメリカ人(特に日系アメリカ人)とその文化をとりあげる。本学の多勢を占める日本人学生にとって、日系人の歴史は他の人種のそれと比べてより身近に感じやすいのではないかと思うからである。
 また、アジア系アメリカの文化や歴史をたどるには、人種のみでなく、ジェンダーへの視点も欠かせない。ジェンダーと人種の問題は互いに深く関わり合っているからである。文学と映画という身近な素材を用いつつアジア系アメリカ人の文化と歴史について学びながら、米国における多文化主義の理想と現実の葛藤の歴史、マイノリティ・グループのアイデンティティ・ポリティクスにおけるジェンダーと人種問題の相関関係についての基本的知識を身につけてもらうこと、またそれを通じて日本におけるマイノリティの問題、ジェンダー不平等、人種差別の現状等に対する批判的視点と思考習慣を身につけてもらうこと、この二つが本講義の目標である。


履修目標
① 「アジア系アメリカ文化」とは何か、自分の言葉で他者に説明できるようになること。
② ジェンダー論の概要を理解し、他者に説明できるようになること。ジェンダーへの視点が、私たちの日常生活において、そしてあらゆる学問分野において必要不可欠なものであることを理解し、それを自分の言葉で他者に説明できるようになること。
③ アジア系アメリカ文化について学ぶことを通じて、米国における、人種とジェンダーをめぐるポリティクスを理解し、それを他者に説明できるようになること。またそれを通じて、日本における人種差別やジェンダー不平等の状況に対しても批判的に思考できるようになること。

成績評価の基準
 出席30%、中間考査(又はレポート)30%、学期末試験(又はレポート)40% 
授業概要(内容と計画)
4/8, 4/15   
1  イントロダクション: アジア系アメリカ人、アジア系アメリカ文化とは何か?
  映画:『ティファニーで朝食を』、Caught In Between, Joy Luck Club,
           Maya Lin: Strong Clear Vision Cf. Bend It Like Beckam(『ベッカムに恋して』)

4/22, 5/13  
2  日系移民の歴史
 映画: Come See the Paradise
 文学作品:Farewell to Manzanaar (Jeanne Wakatsuki-Houston)

5/20, 6/3, 6/17  
3  主流文化によるアジア系アメリカ人/アジア人の表象—その1(第二次大戦期−戦後期)
   映画:Madame Butterfly, Cheat, Breakfast at Tiffany’s, Sayonara
   文学作品:Sayonara (James Michener), Farewell to Manzanaar, Camp Notes (M. Yamada)

6/24, 7/1, 7/8
4 主流文化によるアジア系アメリカ人/アジア人の表象—その2(80年代以降−現在)
   映画:Gung Ho, Rising Sun, Blind Date, Living On Tokyo Time,
Come See the Paradise, Snow Falling on Cedars, Lost in Translation,
Last Samurai Cf. Miss Saigon (Musical)
   文学作品:Snow Falling on Cedars, Memoir of a Geisha

7/15
5 前期のまとめ:ディスカッション

 summer vacation!!

Mid-Term Report:以下から一つ選択
(1) 前期で取り上げた作品を一つ以上取り上げ、授業で得た知見や批判的視点を踏まえて、その作品を批評する。
(2) 前期で取り上げたテーマ(特定のもの一つでもよいし、前期全体を通してでもよい)に即して、自分で何かテーマや問題を設定し、それについての調査レポートを作成する。

* 枚数:A4 (40字 × 40行) 3-5枚(原稿用紙12 - 20枚程度)
* 提出方法と期限:以下から一つを選択 
(1) 夏休み中にメールで提出(ワードファイルをメールに添付して送付)(9/20まで)
提出先:m-owaki@ynu.ac.jp 
・メールのタイトルに、必ず「夏休み課題レポート:(自分の氏名)」を明記してください。タイ トルと氏名のないメールは、迷惑メールと見なして開かずに捨ててしまう可能性があります。
・夏休み中にレポートに目が通せるように、なるべくこちらの方法で提出してください。
(2) 後期第一回目の授業(10/7)終了時に提出
     (この期限後に提出されたレポートは2割減点)

10/7, 10/14
6 アジア系アメリカ人による対抗言説/対抗表象(主流文化によるステレオタイプ表象への 異議申し立て) — その1:人種差別表象に対する抵抗の声
    文学作品:Aiieee! (Frank Chin) 音楽:A Grain of Sand

10/21, 10/28
7 アジア系アメリカ人による対抗言説/対抗表象 — その2:アジア系アメリカ人コミュニティ内部における差異と対立
    文学作品:Seventeen Syllables (H. Yamamoto),
Woman Warrior (M. H. Kingston), Aiieee!

11/11, 11/18, 11/25
8 米国における日本女性のイメージ
     映画:Madame Butterfly, Miss Saigon, Sayonara, Come See the Paradise

12/2, 12/9
9 米国における日本男性のイメージ
    映画:Rising Sun, Gun Ho, Cheat, Last Samurai

12/16, 1/13, 1/27
10 主流文化によるステレオタイプ表象への挑戦:
       アジア系アメリカ人表現者たちによる対抗言説、対抗表象
      映画:Tokyo Bound (Amy Hill), I’m the One that I Want (Margaret Cho)
  文学作品:My Year of Meats (Ruth Ozeki)

2/3
11 総括:ディスカッション


授業方法
 講義形式と学生参加によるディスカッションの併用。
 授業時間内の積極的な発言、質問、学生同士の活発な議論を求めます。

教科書・参考書
 教科書は特に指定しない。参考書は以下に挙げるもののほか、授業で適宜指示します。
 『人種差別の帝国』(矢部武、光文社)
 『イエロー・フェイス』(村上由見子、朝日選書)
 『アジア系アメリカ文学 — 記憶と創造 — 』(アジア系アメリカ文学研究会、大阪教育図書)

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by mowaki93smile | 2005-04-08 04:01 | 比較文化・シラバス